2015年10月19日月曜日

屋久島でウミガメの産卵を見た

6月、365日が雨と言われる屋久島の中でも雨の時期である。それは分かっていたけど、季節が悪いと人が少なそうだしまあいいやということで屋久島に行くことにした。

案の定大雨になり、鹿児島から屋久島への飛行機が飛ばず、急遽船で行くことになった。屋久島まで辿り着くだけで1日かかってしまったが、着いただけでもラッキーだったと思う。

縄文杉までは、白谷雲水峡から入って荒川登山口から出てくる予定にしていたけど、白谷雲水峡は洪水で危ないかもしれないと判断して、荒川登山口から縄文杉への単純な往復のルートに変更した。



行程のほとんどで雨が降り続けていて、警報が出たとか出ないとか、トロッコ道に避けきれないほどの水たまりができていたりとか、かなりコンディションは悪い。枕木で滑って転んで大変な打ち身ができた。晴れてたほうが良いとは思うけど、その代わり人が少なくて、往復のバスはちゃんと座れたし、自分のペースで歩けたし、それはそれで良かった。

高低差はあまりなく、ひたすら歩き続けるだけでそれほどつらくもない。縄文杉は、保護のためあまり近づけないし、デッキもきれいに整備されていて、迫力も神秘性もなく、こんなもんなのかーという感じ。



途中にあった大王杉のほうが迫力というか、威厳というか、雰囲気があって良かった。周囲にいろんな木が生えている中で大きく育っているというのが迫力を出しているのだと思う。

大王杉
雨が一瞬あがったらヤクシカが出てきた
お尻がハートでものすごくかわいい


縄文杉を見に行ったあとは、ウミガメが産卵にやってくる島の反対側へ。

宮之浦の辺りでもウミガメの観察会への送迎をやってくれる宿はあるみたいだったけど、早朝から縄文杉を見に行ったあとだし夜更かしできる自信がなかったので、できるだけ近いほうがいいんじゃないかなと思って、永田に宿を予約していた。

予約したのは屋久島 民宿 いなかはま。選んだのは実用的な理由からだったけど、ウミガメの産卵がこんなにじっくり見られたのはこの宿を選んだからこそだった。

宿の説明や口コミを見ているだけでは一連の流れが分かりづらいけど

  • 宿のご主人はウミガメの保護活動をしている人たちの一員ぽい
  • ウミガメの観察会付きプランを申し込むと、宿のご主人が夜の観察会の予約しておいてくれるので自分で予約する必要がない
  • 夜の観察会はかなりの確率でウミガメの産卵が見られるが、どんな条件であろうと写真を撮ることはできない
  • 早朝、希望者は明け方まで産卵をしているウミガメを見に宿のご主人に連れて行ってもらえる。このとき写真を撮ることはできるが、ウミガメを見られる確率は夜の半分、産卵しているところが見られることはあまりない

という感じなので、夜の観察会も申し込んでおき(参加費が保護活動の運営費にもなるし)、朝も頑張って起きるというのが正解。


保護活動をしている人たちがこの地域でどういう立ち位置なのか、永田に生まれたら誰もがやる活動なのか、好きな人だけが参加するのかとかよく分からないけど、若者から老人までいて、みんなウミガメが好きなんだな〜というのがすごく伝わってきた。

参加費の分だけはということなのかもしれないけど、「今日はアンラッキーでしたね」と言うこともできるのに、できるだけ私たちに見せてあげようという気持ちも感じられて、自分の車に乗せてウミガメのいる浜まで往復したりしてくれて、それを毎年何ヶ月か毎晩のようにやってるの大変だろうなあと思う。

夜の観察会では、ウミガメの上陸を待つ間ウミガメのビデオを見たりして詳しくなり、実際産卵を見て「お〜これがあの有名なウミガメの産卵か〜」と思ったりした。

そこそこ満足して宿に戻るともう夜中で、早起きして縄文杉を見に行き疲れている中、また数時間寝たらすぐ起きるのかと思うと朝見に行かなくてもいいような気になってしまうが、必ず行ったほうが良い。

早朝、全然寝た気はしないが頑張って食堂に集合すると、今日はウミガメがまだ残っていると言われた。

ここで初めて宿のご主人がウミガメ保存活動をしていて、どこにウミガメがいるかという情報までしっかり持っているということが判明し、しかも今日はウミガメが見られるらしい。一気に目が覚めた。

夜は観光バスに乗って見に来る人もいて、大勢で1頭を順に見るだけだったけど、朝ウミガメを見に来ているのは我々だけで、あらゆる角度から好きなだけ見ることができた。

宿の前の浜に本当にいた!
写真では明るく写っているけど、まだけっこう薄暗い
カメラによっては手ぶれしてなかなかうまく撮れないくらいの明るさ

ウミガメの涙
ウミガメの足跡
2頭ほどカモフラージュ中のウミガメを見たところで、ラッキーなことに、まだ産卵中のウミガメがちょっと離れたところにいるということが分かり、急いで移動。

産卵してる!
産卵した場所のカモフラージュに疲れて、ちょっと休憩している
ウミガメ的には完璧なカモフラージュをして海に帰る
奥に見えている棒は卵のある場所の目印のために立てる

我々が写真を撮りまくっている間も、宿のご主人はいろんなデータを取ったり、初めて来るウミガメにチップを付けたりしていた。

夜の間はウミガメに当たらないよう、産卵のために掘った穴だけにライトが照らされるので、ウミガメ自身はあまりよく見ることはできないけど、朝は明るく人も少ないのでじっくり観察することができる。

朝産卵を見られるのは珍しいとのことなので本当にラッキーだった。

産卵が見られなくてもウミガメを写真に撮れるのは朝だけなので、産卵時期(と孵化時期も?)に屋久島に行くなら屋久島 民宿 いなかはまは本当にオススメ。


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