3作目であるこの本は食べ物でまとめてあって、ひたすら食事と結びついた思い出が書いてあるだけなんだけど飽きずに最後まで読める。一番初めのアラスカはお上品に始まるけど、南下して行くにつれてだんだんといわゆるバックパッカーっぽいエピソードが増え、最後はどんな旅の終わりになるんだろうと一気に読み終えてしまった。
食という切り口ではあるけどあくまでも切り口なだけで、グルメレポートではなくちゃんと旅行記になっている。あとがきに「おいしい、まずいは使わないで書こうと思った」と書いてあるとおり、細かく描写してあって、多少大げさに思えるところもあるけど、その代わりその国の雰囲気がよく伝わってきた。行ったことのない南米なんかは、いいなーおもしろそうだなーと思えるし、行ったことのある場所は行ったときの空気感が思い起こされてまた行きたいなーと思える。特に筆者と同じく貧乏旅行をしたスペインとモロッコは本当にまた行きたくなった。
すごいなと思ったのは、アフリカで野生動物のレストランに行った話。野生動物のレストランに行って珍しいもの食べたというだけの話を、どうだすごいだろ!感を感じさせずに一つの話になってた。(最近星の数と100円セールにつられて「これだから海外は面白い!!: 世界50カ国を回って知った、ガイドブックには載っていない話」買っちゃったんですけどね、こんな珍しい体験してるんだすごいだろ!それだけ!しかも全部会社が行かせてくれただけ!っていう本だったので、文章力って大切だなと改めて思いました)
おもしろかった。