巡礼者の像 風が強い場所だからか、像も俯き加減で風に向かって歩く様子が表現されている |
0kmのモハン |
最後はぐだぐだになってしまったものの、ずっとモハンを頼りに歩いていたからか、0kmと記されたモハンを見たら思ってたよりずっと「ここまで来たんだなあ」と思えた。最後の90キロを歩くことはできなかったけど、それでも行って良かった。
巡礼の旅の終わりに新しい自分に生まれ変わる場所らしいのだけど、ここまでたどり着いたら何かが変わるわけではなく、相変わらず悟りには程遠かったし、またここへ来た時と同じように歩いて町まで帰らなくちゃいけない。風が吹き荒ぶ地の果ては、巡礼者を温かく迎え入れる雰囲気などなくて、灯台は閉まってた。
でも雨の中歩いたり宿がなかったり言葉も通じない外国でひたすらここを目指して来れたという、一つ何かやりきったという自信はついたかも。
かつての巡礼者がホタテの貝殻を拾ったという海岸にはホタテなんて一つもなかった。
バスに乗って帰る直前、海沿いでカラマリフライを食べていたら、昨日泊めてあげると言ってくれたおばあさんにばったり再会。「昨日の夜下のレストランで食べたらしいわね!」「うん、そうなの、本当にありがとう!」と会話を交わしてお礼を伝えてからフィステーラを後にすることができた。心残りは何もない。