2014年6月11日水曜日

観光客向けと侮るなかれ、高千穂神楽が素晴らしかった

阿蘇から高千穂へ抜ける途中、白川水源に寄った。ただ水が湧き出ているだけの場所かと思って行ったのだが、ちゃんと観光地化されていたし、夕方少し遅い時間にもかかわらず人もそこそこいた。


1分間に60トンもの水が湧き出ているらしく、水面にはほとんど変化がないのにどこからか激しい流れが生まれて川になって流れ出している。よくよく見ると水底の砂がものすごい勢いで吹きあげられていた。

水源はとても穏やかで一見水が湧き出ているとは分からない
青い部分は湧き出る水に吹き上げられている砂
水源は水が止まっているようにすら見えるが、
数メートル先からは激しい流れになっていて、
涌き出している水量の多さが分かる
自由に水を持って帰れるようになっていたので、たまたま持っていたクリスタルガイザーの中身を捨てて、白川水源の水を入れて帰ってきた。入場料が100円かかるのだけど、100円の水を買ったと思うとお得。


阿蘇のほうがホテルの選択肢が多いので初めは阿蘇泊の予定だったのだけど、高千穂で夜に神楽が見られると分かり高千穂泊に変更した。ホテルはビジネスホテルになってしまったけど、これ、正解だった。

晩ごはんは高千穂牛が食べられるという「焼肉 初栄」へ。


辛子醤油で食べるというミニステーキが有名みたいなのだけどこの日はなく、「焼肉定食も辛子醤油で食べられるよ」と言われて特上焼肉定食を注文。

定食なので一人分ずつ盛られて出て来る
相手もちゃんと食べてるかなとか気にせず自分のペースで焼けるので良かった
昔ながらのガスグリルで自分で焼くスタイル
なつかしい感じ
有名店とは言え田舎の焼肉屋、あまり期待してなかったのにめちゃめちゃおいしい!看板メニューでなくてもおいしいのだから、ミニステーキはどんなにおいしかったんだろうと思うと悔やまれる。

辛子醤油はわさび醤油とよく似ていた。さっぱりしていて、辛子が食べられない私でもおいしいと思える味だった。


初栄を後にして、高千穂神楽を見るため高千穂神社へ向かった。高千穂神楽というのは季節限定の夜神楽を観光客向けに短縮版で毎晩見せているイベントで、33ある舞のうち、4つを見ることができる。

開場時間より早く着いたが、すでにたくさんの人が来ていた
なんだ、こんなことなら初栄でゆっくりしないで早めに来ればよかった
この日は熊本行きの始発に乗って来ていたので、夜、食事の後に神楽を見たら寝てしまうのでは…と心配していたが、まったく心配無用だった。神楽の舞台が作りつけられた会場に入っただけでテンションが上がる。

開演時間が近づくとどんどん人が増えてきて、「一歩前へ詰めてくださーい」という声が後ろからかかった。床に座って人が増えると前に詰めろと言われる、なんだかダンスイベントみたいだ。ていうか舞なんだからまさにダンスイベントだ。

そう言えば山形で黒川能を見た時も、(このときは椅子席も用意されていたが、私は)芝生に座って見た。今では神楽も能も特別なものだけど、私がダンスイベント見に行くみたいな気持ちで昔の人たちは見に来てたのかなと思うとおもしろい。

初めの2演目はコンテンポラリーダンスすぎて、まったく理解できなかった。もらったチラシにストーリーが書いてあるのでかろうじて全体として何しているのかが読み取れる程度。LIFE!のコントを思い出していた。

前の人がずっと動画を撮り続けててシャッターチャンス掴みづらかった
後ろの人のことも考えましょう
でもおかげでアイドルのコンサートみたいな写真がいっぱい撮れたw
3演目目はとうとう天岩戸の扉を開ける話で、動きも出てくる。相変わらず動きの意味はよく分からないのだけど。


天岩戸が開いた瞬間、会場に拍手が起こった。初めの2演目のフリがあったからこそ、とうとう開いた!という感覚が共有できたのだと思う。


4演目目は夫婦円満を表現した演目なのだけどファンイベントになっていて、これまでとは打って変わったコミカルな動きと、会場を巻き込んだ演出でみんな大喜びだった。中身がおっさんということは分かってるんだけど、かわいく手を振られると思わず手を振り返してしまった。




ともすれば退屈になりがちな伝統芸能だけど、いかにも伝統芸能という演目から楽しむための演目まで盛り込んで、かつちゃんとストーリーもあって、すごくいい構成のイベントだった。

たったの700円で、しかも365日やっているというのもすごい。いつ行っても見られるというのは観光客には価値が高い。

とても素晴らしいイベントだったので、高千穂まで行ったら必ず行くべきです。
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