2014年5月27日火曜日

阿蘇山に行くとは、火口を見ることではない

「阿蘇山に行くつもりなんです」と言うと、たいていの人は阿蘇山がカルデラで有名でその火口や周辺が観光地になっていることを知っていて、ロープウェーに乗って火口を見に行くのだと思うだろう。

でも阿蘇まで行ったからには、百名山を登らねば!と思ったんだよね、私は。

阿蘇山というのは総称で、百名山に数えられているのは阿蘇五岳の一つ、高岳とのこと。山好きの友人から阿蘇山の地図は借りたが、一度も見ないまま、行けばなんとかなるだろうととりあえず火口へ向かった。

道沿いは黄緑色の草原で、イメージしていた阿蘇っぽくて良かった。草の色合いとか馬がいるところとか、なんだかモンゴルっぽい。晴れてたらもっと良かったんだろうけど、登山中は日陰が全くなかったので、結果的にはくもりで助かった。

草千里が浜と烏帽子岳
火口手前の料金所に着くと「ただいまCゾーン規制(火口の底は見えません)」という札がかかっていた。「高岳に登りたいんですけど、どこへ行けばいいんですか?」と聞いてみたら、係員の人もよく知らないみたいだったが「火口手前の砂千里が浜の駐車場に停めて登るんじゃないかな」と教えてくれた。

砂千里が浜の駐車場、出発地点
さっきまでとは全く違う風景
荒涼とした風景にちょっと不安になる
砂千里が浜はどこか別の惑星みたいだった
王蟲
実は友人から往復2時間のハイキング程度の行程だよ、と聞かされていたので、けっこうな軽装で向かっていたのだが、砂千里が浜の平坦な淵をくるっと歩いて上りが見えて来たころ、思っていたのとは様子が違うことに気がついた。

少し先までは白く道筋が見えているのだが、その先がない。え、あの崖登るの?ほとんど90度に見える。


ちょうど麓の辺りに人がいるので道は間違ってないらしいと進み続けたところ、見慣れた黄色い矢印が。


黄色い矢印に指し示されるとなんだか安心する。というか思考停止する。進め。


麓まで来てみると、確かに急ではあるけど登れなくない斜面。ハイキング気分だった我々には誤算だったけど、仕方なくゆっくりゆっくり登った。

富士山に軽装で登っちゃう外国人の事情がちょっと分かった気がした(外国人というのはどの山で見ても軽装だけど)。

振り返ると帰りの道がよく分かる
ほんの数キロ先は緑いっぱいで、不思議な光景
さっきまでの草原の黄緑とは違う、深い緑
奇岩が多い
登りきると、中岳の頂上までは比較的平坦な道が続く
中岳頂上
ここからさらに30分ほど登ったところが高岳頂上
きもい
赤い
阿蘇のカルデラはとても大きくて、
カルデラの中に町があるらしい
火口の辺りは大きなカルデラからするとちょっとした突起程度のものなのだとか
第7火口がよく見える
高岳頂上!
阿蘇山まで来て火口だけ見て帰るのはもったいない。ゆっくり時間をかけて、火山が作った自然を見ることができる高岳登山はオススメ。普段見慣れない景色だから、ずーっと荒れ果てた大地だったけど全然飽きなかった。

駐車場まで戻ってきたら、Cゾーン規制が解除されて、Bゾーンに入れるようになっていた。Bゾーンまで入れると、火口の底が見える。

火口の底は鮮やかな黄色だった

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