「いつも旅のなか」は直木賞作家角田光代の旅行記で、さすがの文章力でとてもおもしろかった。
角田光代の小説は読んだことなくて、映画化されたもののCMとかから感じる印象では、どちらかというと瀬戸内寂聴みたいな、不倫とか当然でしょ？って感じの大人の女の人なのかと思っていたけど、なんか全然違った。小心者で団体旅行向き、でも一緒に行く人いないから一人旅してるとか言ってて、ディープな旅行がおしつけがましくなくていいなあこういうの、と素直に思えた。そういうのも文章力なのかな。
余談だけど、村上春樹も小説から感じる作者像とエッセイから垣間見える本人にギャップがあって、エッセイで村上春樹という人を知った後に小説を読むとちょっと違和感がある。 別に作家が小説の主人公のようでなければダメってわけじゃないんだけれども。
旅行記だけど小説として読んでも十分おもしろかった。
贅沢を言うなら、写真の腕はいまいちだから、写真ないくらいのほうが想像力がかきたてられて良かったと思う。
