2014年11月1日土曜日

香港という国と遠くから見た雨傘革命

香港は2度目の訪問。



前回は子供の頃、まだ香港がイギリスの植民地だった頃に家族旅行で連れられて行っただけだったけど、とりあえず押さえるべき観光地は行っていたので、今回はそういうのに縛られず楽しめたのが良かったです。

前回も今回も決めてもらった旅程が2泊3日で1日はマカオというのは同じで、頻繁に行っている人じゃない限り、結局そういう旅程になるんだろうなと思いました。

香港はよく覚えてないけど確か初めて行った海外で、とにかく衝撃だったのは、エスカレーターが止まっていたこと。日本でも修理中で使用禁止になっているエスカレーターはあるかもしれないけど、止まっちゃったからとりあえず階段として使っといて、気が向いたら直す、みたいなのは考えたこともなくて、日本がいかに恵まれているか、ちゃんとしているかというのを認識した最初だったと思います。

自分たちが泊まっているホテルのあたりの近代的な雰囲気と、観光バスで通る場所の雑多で密集したマンションとの落差も印象に残っています。


今回久々に行ってみて、中国に返還されたことで何か変化があるのかなーと期待していたけど、単なる観光客の目からはほとんど違いは分かりませんでした。もちろん雨傘革命とか起こるくらいだし、内情としては色々違うのだろうけど、良くも悪くも近代的な面と前時代的な面が共存しているのは今も変わっていないようで、個人的には好きな雰囲気が残っていて楽しかったです。

おじさんが建築家で、前回行った時やたら建築めぐりをさせられて、香港は竹で足場を組むんだよと教えてもらいました。そこも全然変わってなくて、金属パイプで組まれている足場は今回も一度も見なかったです。




香港はホテル代が高いことで有名で、一方食事代は安いので、土地が高いんだろうなあとは予想していましたが、やはり家賃が非常に高いそうです。昔から香港島に住んでいる人たちは持ち家で家賃を払う必要がないので、安い賃金でもなんとか生きていけるのだそうです。

観光客は近代的な面と前時代的な面が両方あっていいなと思えるけど、実際現地で生活している人にとっては格差社会そのものなのかもしれません。


不思議だったのは、英語をしゃべれる人が意外と少ないこと。(私の感覚では)ついこのあいだまでイギリスの植民地で、今でも公用語に英語が入っているので、ほとんどの人が英語が話せるのだと思っていたのに、ほとんど通じなくてびっくりしました。

色々調べてみたら、

  • 返還のどさくさで香港島に大陸から中国人が流入してきて元々英語を話せなかった人が増えている(九龍のほうがビジネスマンが多く英語が話せる人が多いらしい)
  • 返還以前は教科書やテレビも英語だったが、返還以後中国語が主流になり、英語力が低下している(返還以前世界12位が今は25位)

などの理由で必ずしも英語が話せる人ばかりではないみたいです。

そもそも香港が中国に返還されてからいつの間にか17年も経っているので、私の感覚のほうが間違っていたんでしょうね。




香港は反日感情も根強いと聞いていたのですが、街に日本語があふれていてびっくりしました。親日、反日は一括りにできないとは思いますが、それにしたってこれは多分日本のこと好きなんじゃないのかなと感じざるをえませんでした。

他のアジア諸国との違いは、日本の製品がそのまま輸入?されていること。日本より味のバリエーションが多いと有名な出前一丁はローカライズされていたけど、日本語がそのまま書かれたパッケージで売られているものがほとんどでした。これは日本以外の国から輸入されているものも同じで、香港ぽさがないのでお土産探しが大変でした。

OKASHI LANDはチェーン店でたくさんあった
こういう日本語が入った店名も多かった
箱も全部日本語なので、おそらくそのまま輸入されてるんじゃないでしょうか
日本語しか書かれてなくて味とか分かるのかな、、
パッケージだけでなく、広告でもいち髪も堀北真希もそのまま
これで商品名覚えてもらえるのかな
劇画調なのがアジアっぽいけど要潤

実際相席になったおばさんは親日家のようで向こうから話しかけてきてくれて、「毎年大阪に買い物に行っているの」と言ってました。おばさんは英語も話せたのでけっこう裕福なクラスの人なんだろうと思います。

滑りやすいので注意の看板がやたらいっぱいあったの気になった

昔タイに行ったときもそうだったけど、私が行くと決めるとちょっとした騒動が持ち上がる。今回は雨傘革命。

幸いなことにデモが起こっていたのは局地的で、すっかり忘れて観光していて、歩いていたらデモのあとだったり、遠くで人が集まったりしていることがあるという感じでした。

唯一観光に影響があったのは、道路を占拠しているからか、路面電車であるトラムが止まっていたことくらいです。

特に危険は感じなかったけど、万が一巻き込まれて何かあったら会社で「そんな危険なところにのこのこ近寄っていく軽はずみなヤツ」という目で見られると恥ずかしいので、遠くから見るだけにしておきました。


街中で配っていた新聞
フリーペーパーなのか号外的なものなのか分からなかったけど、無料
いつの間にか流血沙汰になっててちょっとびっくりしました
座り込みをするお兄さん
何か叫んでいました
この先ではデモ中かデモ直後で、まだたくさんの人が集まってました
香港人よ立ち上がれ!みたいな意味?
この辺りはデモが終わったあとっぽい感じだった
ニュースも雨傘革命の中継や政府の声明がよく流れていました
ホテルからもデモのある場所には行かないほうがいいよ、とメッセージがきていた

無事に帰ってこられた今となっては、このような時期に行って雰囲気を感じてこられたのはラッキーでした。



私の旅行の目的としては、香港でないとダメっていう要素がなく、台湾の方が近いので台湾でいっかなーという気がしましたが、久々に行けたのはいい機会でした。また20年後くらいに行くかもしれない。


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